ずっとお世話をしてきた方にとっては、後見人が財産を取り上げてしまうという感覚を持つのが自然だと思います。親御さんの財産を親御さんのために使っているからこそ、釈然としない思いがあるのでしょう。
成年後見が始まると、おっしゃるとおり通帳は後見人が管理することになります。しかし、被後見人の費用は、被後見人の財産から支払われる必要があるので、例えば入院費を肩代わりしたとすれば、被後見人の財産から支払いを受けることができます。後見人は家庭裁判所の監督を受けていますので、管理する財産を使い込むといったことは困難です。使い込むような後見人は家庭裁判所を通じて解任することもできます。とりわけ、弁護士・司法書士のような専門家の場合は、横領すれば刑事処分を受けるだけでなく、資格を剥奪されるでしょう。